金襴緞子光悦京都百景文様

紅緋に金糸を巧みに織り込んだ、金襴緞子地九百織と銘がある洛中洛外図の打掛です。京都の名所・清水寺や五重の塔に桜の花や、紅葉が描かれ、金の雲取りに白い飛翔鶴が舞っています。まさに金襴緞子の花嫁衣装でございます。洛中洛外図は室町時代の後期に作られた屏風絵の事で、京都の市街と郊外の名所旧跡、四季折々の行事等を一望のもとに描いています。貴族の邸宅や社寺、庶民の住居、人々の生活ぶり等も生き生きと表わされています。京都百景は名所旧跡を絵の様に織上げ、江戸の町人の観光気分(物見遊山)を楽しませた様に婚礼の列席の皆様へのおもてなしの心です。本阿弥光悦が徳川家康から与えられた地に草庵を結び、彼の死後光悦寺として京都北区鷹峰に残っています。(7つの茶室がある)光悦は安土桃山時代から江戸初期にかけて活躍したマルチ芸術家であり商人(あきんど)でした。