高級西陣美術織 京の八景文様

万葉衣裳八景と銘がある京の秋の紅葉の美しさを屏風絵の様に織上げた逸品です。真緋(まひ)という真に濃く美しい緋色(飛鳥時代に使われていた色)に猩猩緋の少し黄みを帯びた濃い赤の紅葉で埋め尽くされた燃えるような紅葉に真っ白な飛翔鶴が飛んでいます。京都では山の木々が赤く染まっていく様子を「今年も、葉が照ってきた」と表現する事があるそうです。晩秋の光に輝く葉の艶っぽさを言い当てた素敵な言葉です。万葉の時代から歌に詠まれてきた黄や赤への移ろいを愛でる日本人の美意識が西陣で一枚の打掛になりました。紅葉狩りは燃え盛る紅葉の赤に回復力を見て活力の折枝を持ち帰ったのが始まりと言われています。特に美しいのは山城の高雄楓と紀伊吉野竜田川に流れる嵐山の紅葉が歌にも詠まれています。まさに錦織の打掛です。