若槻先生、スタッフの皆様、その節は大変お世話になり、どうも有難うございました。
おかげさまで私たちの一生の記念に残る素晴らしい披露宴をあげることができました。
この思い出は先生の着物ドレスなしに語ることはできません。

数年前、まだ結婚の意識すらしていない頃、年末恒例の日本レコード大賞を何気なく見ていた私の目に飛び込んできたのが有名女優さんが着用していた着物の生地をドレスに仕立てた斬新なドレスだったのです。 そのドレスにまさしく一目惚れした私は「いつかこんなドレスが着られたら…」と心に秘めておりました。 でも女優さんが着用するようなドレスなので一般人の私には到底ご縁のない衣装なのだろうと半ば諦めに近い思いも抱いていました。
それから月日が経ち、結婚の準備をしようという段になり購入した「Wedding BOOK」という専門誌を読んでいた私に再びあの時の衝撃が…!「あ、あの着物のドレスだ!」ここで初めて若槻先生のことを知り、そして夢にまで見た着物ドレスがレンタルできることも知ることになったのです。 そこからの私の行動が迅速だったのは言うまでもありません(笑)
何しろあのドレスと 運命の再会を果たしたのですから…。一切の迷いなどなく東京へと足を運びました。

打ち合わせでは色々な柄のドレスを惜しげもなくピックアップしていただき、それぞれの色や模様に込められた意味を丁寧に教えていただきました。
そして迷いに迷った挙句、鶴が二羽大きく羽を広げて飛んでいる柄が印象的な赤のドレスに決定しました。決め手となった理由は父の名前が「鶴夫」ということから、鶴が羽ばたいている柄のドレスを着ることによって、両親のように夫婦円満で助け合って新しい人生を築いていきますという気持ちと、今まで大切に育ててもらった感謝の気持ちを二羽の鶴に見立てて表現したいと思ったからです。
お色直しの着物ドレスを念頭にすべての準備をしましたので、ウェディングドレスは柔らかで透け感のある生地の、程よいボリュームのAラインで、その後の着物ドレスのマーメイドラインがより引き立つものを選びました。
会場装花は着物ドレスの赤にあわせて赤メインが良いかなと思い、和にも洋にもあうようなモダンな雰囲気のグロリオーサを選び大人っぽい印象になるようお願いしました。

ウェルカムボードは前撮りした森での幻想的な写真をチョイスして作っていただきました。
飴細工のバラが美しいウェディングケーキは、パティシエに希望のデザインを伝えオリジナルのケーキを作っていただきました。
フィッティングの際にアトリエへ一緒に伺った大好きな姉に、サプライズでブーケを贈呈しました。姉が泣き出したのは想定外で、私ももらい泣きしてしまいました。

式当日、式場に届いた衣装箱を開けるとそこには先生からのお祝いの手紙と、なんと着付けスタッフの
方達へのお心遣いまでが同梱されていて、まさに至れり尽くせりで私たち夫婦はその一流たる故のおもてなしに感動せずにはいられませんでした。

ライトダウンされた披露宴会場で二人がスポットライトを浴びて登場するやいなや、どっと歓声があがり、司会者が先生の書いてくださったドレスの色・模様についての説明と、父の名前とのつながりを紹介してくださると会場が再びどよめきました。両親も姉も鶴の舞うドレスを着た私を見て感無量のようでした。
赤のマーメイドラインの着物ドレスはシルエットがとても美しく華やかで、クラシカルかつ重厚な雰囲気の披露宴会場に一段と映え、私もモデルになった気分で凛として立つことができました。

あの時の感動を思い出すと今でも気分の高揚を覚えます。ローブドキモノのドレスを選んで本当に良かったと思っています。若槻先生と素晴らしいスタッフの皆様に心より御礼を申し上げます。これからもお身体にご自愛され、素晴らしいドレスをたくさん世に送り出して下さい。
そしてそのドレスによって私たちが体験した感動を共有できる花嫁さんがたくさん増えることを願ってやみません。本当にありがとうございました。