佐賀錦赤黒裾暈し
   相良刺繍華紋に鳳凰文様

全体に金糸がキラキラと奥ゆかしく光り、赤地に相良刺繍で八重梅と重ね松に鳳凰が舞い、華紋に菊と牡丹の花咲き乱れ、黒裾に金箔で桜を配した贅沢な打掛です。相良刺繍ひとつひとつ糸を玉の様に縫い込むため玉縫いとも呼ばる優美な相良刺繍は古来より伝わる日本刺繍の技法で蘇州・スワトウと並ぶ、三大刺繍の一つです。独特の立体感と光沢が特徴で、刺繍の中でも、最も高度な技術を要し、習得するためには20年以上かかると言われています。現在では技術を持つ職人が少なく、大変貴重なものとなりました。華紋は花を抽象化して丸い形に文様化し、花の様な形をした華麗な文様全般を言います。古くから織物、染物の文様として用いられています。鳳凰文様平和な世界を象徴する想像上の瑞兆。世継ぎが生まれる時に飛ぶ鳥と言われている格調高い文様です。