紅赤地黒裾暈し刺繍梅に花檜扇文様

艶やかで美しい紅赤地に黒裾暈しで引き締め、黒地に金銀の箔散らしを施しています。金の雲取りに青海波と七宝繋ぎ、金彩の檜扇に秋草花と、5弁の花びらが愛らしい枝梅を美しい糸で刺繍した華やかな打掛です。打掛の定番と思われている鶴が描かれてない四季の花々のみの優しい打掛です。檜扇は、ヒノキの薄板の上部を絹糸でとじた扇です。平安時代の貴族が装身具として使いました。美しい彩色で雲取りや、絵を描いて、飾り結びを付けその紐を長く垂らすなど、華麗を極めました。青海波は舞楽で演奏される雅楽に「輪台」と「青海波」の連奏曲があり、輪台国は西域のウィグル地方で、そこに今もある青海湖では深く澄んだ青い湖面に、止むことのない静かな波が漂っています。果てしない波の広がりの、その果てまで続く永遠の平和と幸せを願う模様です。七宝は佛教で金・銀・瑠璃・玻璃・珊瑚・瑪瑙・真珠の貴重な宝を指します。